SBI証券は口座数1,400万超(2026年時点)を誇る国内最大手のネット証券だ。新NISA・iDeCo・米国株・投資信託と幅広い商品を揃え、多くの投資家に選ばれている。しかし「とにかく使いやすい」かというと、実際に使い込んでみると気になる点もある。本記事ではSBI証券のデメリットを具体的な数字とともに検証し、向いている人・向いていない人を整理する。
①アプリが複数に分かれていて使い分けが必要

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SBI証券の利用者からよく挙がる不満が「アプリが多すぎる」という点だ。主要なアプリだけでも以下がある。
- SBI証券 株アプリ(国内株メイン)
- かんたん積立アプリ(投資信託・積立)
- SBI FXトレード(外国為替)
- SBI証券 米国株アプリ(米国株・ETF)
国内株を売買しながら積立投資も確認したい場合、アプリを都度切り替える必要がある。競合の楽天証券「iSPEED」が1アプリで主要機能をカバーしているのと比べると、操作の動線が複雑と感じるユーザーは多い。特にスマホ投資に慣れていない初心者は最初に戸惑いやすい。
②IPO(新規公開株)の当選確率が相対的に低い
SBI証券はIPO取扱数が業界最多水準だが、口座数が多い分だけ抽選参加者も膨大になる。たとえば人気IPOに10万人が申し込んで配分が500株(100株単位で5人分)だった場合、当選確率は0.005%にとどまる。
SBI証券はIPO抽選に「チャレンジポイント制度」を導入しており、落選するたびにポイントが貯まって当選確率が上がる仕組みを持つ。ただしポイントが十分貯まるまでには時間がかかり、短期的な当選は難しい。IPO投資を主目的とするなら、主幹事案件に強い松井証券や、独自の配分方式を持つ証券会社との併用が現実的だ。
③クレカ積立のポイント還元率が引き下げられた経緯がある
SBI証券では三井住友カードを使ったクレカ積立が可能だ。2026年8月現在、ポイント還元率はカードランクに応じて異なる(一般カードで0.5%、プラチナプリファードで最大3%など)。
過去に還元率が改定された経緯があり、条件によっては以前より還元率が下がっているケースもある。たとえば月5万円を積立した場合の年間ポイントを比較すると次のようになる。
| カード種別 | 還元率 | 月5万円×12か月の獲得ポイント |
|---|---|---|
| 三井住友カード(NL) | 0.5% | 3,000ポイント |
| 三井住友ゴールド(NL) | 1.0% | 6,000ポイント |
| 三井住友プラチナプリファード | 3.0% | 18,000ポイント |
プラチナプリファードは年会費33,000円(税込)かかるため、積立額が少ない段階ではコスト負けしやすい点に注意が必要だ。
より詳しい内容は「SBI証券vs楽天証券を比較2026 総合力で選ぶならどっちか」をご覧ください。
④外国株の取扱通貨ペアに制限がある
SBI証券は米国株・ETFの取扱数が4,500銘柄超と豊富だが、為替取引(円→外貨)の方法に注意が必要だ。住信SBIネット銀行と連携することで為替コストを抑えられるが、連携口座を持っていない場合の為替手数料は1ドルあたり25銭と高めになる。
たとえば1ドル=150円のとき、1,000ドル(15万円相当)を両替すると、連携なし(25銭)では375円のコストがかかり、連携あり(4銭)では60円に抑えられる。差額315円は小さく見えるが、毎月積立を続けると年間で3,780円の差になる。住信SBIネット銀行口座の開設が事実上の前提になる点をあらかじめ把握しておきたい。
⑤サポート体制は電話が繋がりにくい場合がある
口座数が多い分、市場急変時やキャンペーン期間中は電話サポートが繋がりにくくなる傾向がある。チャットサポートやFAQは充実しているが、緊急性の高い取引トラブル時にリアルタイムで担当者と話したい場合はストレスを感じやすい。対面でのサポートを重視するなら、店舗を持つ総合証券(野村・大和・SMBC日興など)との使い分けも一つの手段だ。
SBI証券が向いている人・向いていない人
デメリットを踏まえたうえで、SBI証券に向いているユーザー像をまとめると以下のとおりだ。
向いている人
- 新NISAのつみたて投資枠でインデックスファンドをコツコツ積立したい
- 国内外の幅広い銘柄を低コストで取引したい
- iDeCoと証券口座を同じ会社でまとめたい(松井証券iDeCoと比較するのも有効)
向いていない人
- シンプルなアプリ1本で全操作を済ませたい
- IPO投資をメイン戦略にしている
- 電話サポートを頻繁に利用したい
同じく手数料の安い証券口座はこちら
詳しくは「口座開設前に知りたいSBI証券のデメリット2026年版5つの注意点」で解説しています。
まとめ:デメリットを知った上で使えば総合力は高い
SBI証券のデメリットを検証してきたが、アプリの複雑さ・IPO当選率・クレカ積立の条件・為替コスト・サポート品質といった点は、使い方次第でカバーできるものが多い。住信SBIネット銀行との連携や、積立専用アプリの活用を前提にすれば、手数料の安さと商品ラインナップの豊富さは依然として業界トップ水準だ。
投資スタイルに合わせて複数の証券口座を使い分けることも有効だ。たとえばiDeCoは松井証券iDeCoで運営管理手数料を抑えつつ、メイン口座をSBI証券にするといった組み合わせも検討してみてほしい。デメリットを正確に把握したうえで自分の投資目的に合わせて選ぶのが、長期資産形成の第一歩だ。

