株式投資で得られる配当金は、受け取った額がそのまま手取りになるわけではありません。税金と証券会社の手数料が差し引かれるため、実際の受取額は思ったより少なくなるケースもあります。2026年8月現在の制度に基づき、配当金にかかる税金の仕組みと手取りを増やすための具体的な方法を、FP資格保有のライターがわかりやすく解説します。
配当金にかかる税金の基本(2026年版)
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上場株式の配当金には、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた20.315%が源泉徴収されます。内訳は以下のとおりです。
- 所得税:15%
- 復興特別所得税:0.315%(所得税額の2.1%)
- 住民税:5%
たとえば10万円の配当金を受け取った場合、源泉徴収後の手取りは約79,685円になります。この源泉徴収は自動で行われるため、特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、受取時点ですでに差し引かれた状態で入金されます。
非上場株式の配当金には税率が異なり(所得税20.42%)、上場株式とは扱いが別になります。本記事では上場株式を対象として解説します。
配当課税の申告方式は3種類ある
上場株式の配当金は、確定申告によって課税方式を選択できます。選択肢は以下の3つです。
①申告不要制度
源泉徴収された20.315%で課税関係を終了させる方法。確定申告が不要で手間がかかりません。配当収入が少ない方や、他の所得が多くて総合課税にすると税率が上がる方に向いています。
②申告分離課税
他の所得とは分離して、一律20.315%で申告する方法。損益通算(後述)を行う場合はこちらを選択します。
③総合課税
給与所得などと合算して、累進税率で申告する方法。課税所得が少ない方(目安:課税所得695万円以下)は、税率が源泉徴収より低くなる場合があり、確定申告で差額が還付されることがあります。また、配当控除(後述)が利用できます。
どの方式が有利かは個人の所得状況によって異なります。特に給与所得が低い年や、副業の赤字がある年は、申告方式を見直す価値があります。
手取りを増やす方法①:NISAの非課税枠を活用する
最も効果的な節税策は、NISA口座で配当株を保有することです。NISA口座内で受け取る配当金は20.315%の税金がかからず、全額を手取りとして受け取れます。
2026年現在の新NISAでは、成長投資枠(年240万円・生涯上限1,200万円)を利用して個別株や高配当ETFを保有することが可能です。たとえば年間配当金が30万円の場合、課税口座では約6万円が税金として引かれますが、NISA口座ではそのまま30万円を受け取れます。長期・高配当運用との相性は非常に高いと言えます。
NISA口座の開設先として、手数料水準・銘柄ラインナップ・使いやすさをトータルで評価するなら松井証券は有力な選択肢の一つです。国内株式の売買手数料が1日の約定代金合計50万円以下なら無料(現物取引)で、NISA口座での日本株売買も無料で取引できます。iDeCo(個人型確定拠出年金)の取り扱いもあり、老後の資産形成と節税を一体で考えたい方にも対応しています。
また、高配当株への投資に関心があれば、DMM株も検討に値します。国内株の売買手数料が業界最低水準で、低コストで高配当銘柄を積み上げる戦略に向いています。
より詳しい内容は「米国株の為替手数料を安くする方法2026年版ドル転のコツ完全ガイド」をご覧ください。
手取りを増やす方法②:損益通算で税金を取り戻す
配当金と株式売却損を相殺することを「損益通算」と言います。申告分離課税を選択して確定申告を行うことで、売却損がある年は配当金にかかる税金を減らしたり、還付を受けたりすることができます。
たとえば配当金10万円を受け取った一方で、同じ年に15万円の売却損が出た場合、差し引き5万円の損失として繰り越すことができます(損失の繰越控除)。さらに翌年以降3年間は、その損失を翌年の利益と相殺できるため、長期的な節税効果があります。
ただし、この損益通算は特定口座(源泉徴収あり)同士または申告分離課税を選んだ口座間で行うものです。NISA口座の損失は損益通算の対象外である点は注意が必要です。
手取りを増やす方法③:配当控除を活用する
総合課税を選択した場合、「配当控除」という制度が利用できます。これは、日本国内の法人が支払った配当金に対して、二重課税を調整するための控除です。
控除額は、課税総所得金額が1,000万円以下の部分については配当所得の10%(所得税)、2.8%(住民税)相当が控除されます。課税所得が低い方ほど、総合課税+配当控除を組み合わせることで実効税率を下げられる可能性があります。
ただし外国株(米国株など)の配当金は配当控除の対象外です。国内高配当株に投資している方が特に活用を検討すべき制度です。
証券口座選びで手数料コストを下げる
配当金の手取りを増やすには、売買コストを抑えることも重要です。高配当株をコツコツ積み上げる戦略では、売買の頻度が低いとはいえ、まとまった額の購入時に手数料差が生じます。
主要ネット証券の手数料水準(2026年8月現在)は各社で差があります。松井証券は1日定額制で少額投資家に使いやすく、DMM株はワンショットでも低水準の手数料が特徴です。高配当ETF(例:日経高配当株50ETFなど)を購入する場合も同様に、手数料0円の証券会社を選ぶことが長期リターンの底上げにつながります。
この点は「米国株を買う証券口座の選び方2026 手数料と銘柄数で徹底比較」で詳しく取り上げています。
まとめ:配当金の手取りを最大化するポイント
株の配当金にかかる税率は20.315%ですが、制度を正しく使えば実質的な税負担を抑えることが可能です。以下の3点を押さえておきましょう。
- NISA口座を優先活用:非課税で配当金を受け取れる最大のメリット
- 損益通算・繰越控除を忘れない:売却損がある年は申告分離課税で申告
- 課税所得が低い年は総合課税+配当控除を検討:国内株限定で有効
口座開設先としては、松井証券やDMM株のように手数料が低水準でNISAにも対応した証券会社を選ぶことが、長期的な手取り改善につながります。自分の所得状況に合った申告方式の選択については、税理士やFPへの相談も有効です。
